はじめに
企業のWebサイトは、情報発信・問い合わせ獲得・ブランドの信頼性向上など、多くの役割を担っています。
しかし、WordPress を長く使い続ける中で、更新作業に時間がかかる、管理が複雑になるといった課題が積み重なり、日々の運用に負荷が生じている企業も少なくありません。
当社でも同様の課題を抱えていたため、「crotchet / cafe」「crotchet / school」の2つのブランドサイトを WordPress から Strapi へ移行しました。本記事では、
1.課題(Wordpress) → 2.解決(Strapi) → 3.効果 の流れで、移行の背景と成果をご紹介します。
1.課題:WordPress の長期運用で生じていた問題
① 更新に時間がかかり、業務を圧迫していた
特に crotchet / cafeのサイトはイベントのお知らせなど更新頻度が高く、変更のたびに静的化プラグインでサイト全体をビルドする必要がありました。
ビルドに時間がかかり、「すぐに更新したいのに、公開作業に時間を取られる」という状況が続いていました。
② 構造が複雑化し、作業が属人化
長年の運用でプラグインやカスタム投稿が増え、設定や編集画面が複雑に。
どこを触るべきか把握しづらく、更新作業が特定の人に依存しやすい状態でした。
③セキュリティ面でのリスクが大きく、安心して運用しづらい
WordPress は世界的に普及しているCMSである一方、その分だけ攻撃の対象になりやすいという側面があります。
また、実際の運用現場では、静的化や管理画面の隠蔽といった対策が不十分なまま使われているケースも少なくありません。
- 管理画面のURLがそのまま公開されている
- プラグインの脆弱性が放置されがち
- ブルートフォース攻撃の対象になりやすい
- 侵入された際の影響範囲が広い
- 公開サイトと管理画面が同一環境のため、被害が連鎖しやすい
こうした要因が重なると、
「特別なカスタマイズをしていない普通のWordPressサイト」のほうが、実はリスクが高い
という状況が生まれます。
当社でも、安全に運用するためのメンテナンス工数が年々増えており、これ以上の負担が現実的ではないという判断に至りました。
2.解決策:Strapi による“運用基盤の再構築”
当社では、これらの課題を根本的に解決するために、WordPress から Strapi への移行を選択しました。Strapiを選定した理由は下記です。
① 長く使えて、コストを抑えられる CMS
Strapi はオープンソースのため月額使用料がなく、ページ数や担当者が増えても追加料金が発生しません。
中長期のコストを抑えながら運用できる基盤を構築できます。
② 自社の業務に合わせやすい
承認フロー、権限、更新ルールなど、企業ごとの運用に合わせて調整しやすく、
現場のやり方に合ったCMS を作れます。
③ 更新しやすいシンプルな管理画面
Strapi は必要な項目だけを整理して表示できるため、誰でも迷わず操作できます。
担当者変更時のハードルも下がり、属人化の解消につながります。
④ 情報設計を“ゼロから整理”できる
WordPress で蓄積した複雑さを一度リセットし、必要な内容に絞って設計し直せるため、
分かりやすく・拡張しやすい構造 に再構築できます。
⑤ デザインの自由度が高く、ブランド表現を妨げない
ヘッドレスCMSのためフロント側の制約がなく、ブランドの世界観を保ちながら UI/UX を向上できます。
⑥ セキュリティ面の不安を大きく軽減できる
Strapi は「ヘッドレスCMS」のため、公開サイトと管理画面が完全に分離しています。
これにより、WordPress のように管理画面が攻撃対象になるリスクが大幅に減ります。
Strapi を採用することで、次のようなセキュリティメリットが得られます。
- 管理画面が外部から直接アクセスされない
- 不要なプラグインがないため脆弱性リスクが小さい
- 公開側が静的生成やAPI経由の提供になるため攻撃範囲が限定される
- “もし侵入を許した場合” の影響範囲が狭く、被害が連鎖しにくい
- 長期運用時のセキュリティメンテナンス負荷も軽減
特に中小企業では、専門担当者を置けないケースも多く、
「特別な対策をしなくても安全性を確保しやすい」 という点は大きな利点です。
3.効果:Strapi 移行によって実現したこと
① 更新スピードの改善
静的化処理に時間を取られることがなくなり、更新から公開までがスムーズになりました。
日々の更新作業が大幅に効率化されています。
② 管理負荷の軽減
情報が整理され、操作画面もシンプルになったことで、担当者が作業しやすくなり、
「誰でも更新できるサイト」 を実現できました。
④ 将来の拡張にも対応できる基盤へ
API を活用することで、今後アプリ連携や新サービス展開などがしやすい構成に。
長期的に使い続けられる拡張性の高い基盤となりました。
まとめ:運用の負担を減らし、長く使えるWeb基盤をつくるために
今回の WordPress から Strapi への移行は、単なるCMS変更ではなく、
日々の運用を軽くし、企業の成長にも対応できる「Web運用基盤の再構築」でした。
- 更新が速くなる
- 操作が分かりやすくなる
- 将来の展開にも柔軟に対応できる
- コスト面でも長く使える
当社では、自社での移行経験やノウハウを活かし、企業の課題に合わせた Strapi 移行プラン をご提供しています。
サイト運用やリニューアルでお困りの企業の方は、ぜひご相談ください。



